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大分高専さまとの共同研究 2022年度 #2 インダクタンスの計算
研究は順調に進んでいます。ODT杉木とのZOOMミーティングの様子をお届けします。

今回の課題は、電極間の磁気特性解析です。
具体的には、20kV高耐圧化環境における、パワーモジュールのインダクタンスを計算することです。
この記事では、荻山さん・石川先生と、ODT杉木によるZOOMミーティングの様子をお届けします。
登場人物ご紹介
研究をメインで進める、電気電子工学科5年生の荻山さん。
電気電子工学科の石川先生がサポートをしてくださいます。
ODTからは、開発部部長の杉木がお手伝いします。
9月16日。大分高専さまの研究室とODTをオンライン会議でつなぎ、進捗会議を開きました。
大分高専:荻山さん
この解析を行うため、3つの準備が必要でした。まずSolidWorksを使って、三次元モデルを作成すること。またJMAGを使って、有限要素法解析ができるようになること。そして昨年度に使用したモデルの、解析手順を理解することです。
ODT
準備の段階でかなり大変ですね・・・。
大分高専:荻山さん
はい、SolidWorksには慣れず習得に難航しましたが、なんとか現在はインダクタンスの計算に着手しています。

大分高専:荻山さん
インダクタンスを計算するためには、JMAGに、電流が流れる面を考えて設定する必要があります。しかし3Dモデルは前年の繁松先輩が作ったものを引き継いでいますので、それがどのように作られているのかを理解した上で設定をしないと、エラーが出てしまうんです。
大分高専:石川先生
研究って、先輩の実績を引き継いでいくものなんです。 まずは過去の成果に追いつくことが必要。 そこから半歩でも進むことで、新しいものを発見するんです。
大分高専:荻山さん
はい、頑張ります。

大分高専:石川先生
リード線の形状を、コの字型とアーチ型の2種類で解析しています。インダクタンスの値を比較しますと、全体的にはコの字型の方が大きいです。 場所によってはコの字がアーチの倍以上になっている箇所もあり、形状におけるインダクタンスの差が大きいことが分かります。 これはおそらく磁界の影響だと考えられますが、ただいま調査中です。
ODT:杉木
この報告はとても興味深いです。 端子から一番遠いワイヤーに電力が集中していることが、色から見て取れます。 高速スイッチングのためには、これは望ましくありません。 そこでループの高さを変えたり、ワイヤーの長さを変えたりすることで、電流密度が6本とも等しくなるようにできるかもしれません。
大分高専:石川先生
わかりました、この点についても調査を進めます。
大分高専:荻山さん
授業でも半導体について学びますが、この研究は授業の内容よりもずいぶん難しいです。ただシミュレータなどを使い解析することで、理屈が目に見える形になり、難しさの中にも楽しさがあります。
ODT:杉木
順調に進んでいるようで良かったです。引き続き頑張りましょう!

次回は12月ごろの更新です。お楽しみに。
