OITA KOSEN × ODT大分工業高等学校専門学校×ODT共同研究
大分高専様×ODT共同研究
大分高専さまとの共同研究 2022年度 #4 研究発表会
いよいよ研究発表会。1年間の取り組みの成果をご覧ください。
登場人物ご紹介
研究をメインで進める、電気電子工学科5年生の荻山さん。
電気電子工学科の石川先生がサポートをしてくださいます。
ODTからは、開発部部長の杉木がお手伝いします。
2023年3月14日、ODT本社会議室にて、研究発表会が開かれました。
今回はその発表会の様子をお伝えします。
大分高専:荻山さん
私は、次の3つのテーマについて研究しました。
1. リード線の形状が、インダクタンス値と電流密度(熱)にどのような関係があるのか。
2. リード線の一部を複数本にした時、どのような変化が起こるか。
3. 全てのチップに対してリード線の本数を変えたとき、どのような変化が起こるか。
です。
大分高専:荻山さん
基本モデルであるコの字型は4.37nHであったのに対して、弧型は3.14nHと、インダクタンスの値が28%も少ない結果でした。
総じてコの字型よりもアーチ型の方が、インダクタンス値が低い傾向にあります。
この事から、リード線は短い方がインダクタンス値が低くなるということが分かりました。
またリード線の断面積が広い方が、電流密度が低くなるということも分かりました。
大分高専:荻山さん
次に一部のリード線を2本にした場合についてです。
このように、3番と6番のリード線を2本にした場合との比較をしました。
すると、電流密度とインダクタンス値が減少したことが分かりました。
ただそれでも、奥側のリード線には依然、電流が集中しています。
リード線が増えたことによって、インダクタンス値が25%減少したものの、平衡には至りませんでした。
大分高専:荻山さん
そして各チップのリード線を複数にした場合についてです。
2本、3本、4本の場合で調査しました。
その結果、本数が増えていくごとに、インダクタンス値と電流密度の両方が減っていくことが分かりました。
大分高専:荻山さん
まとめます。
リード線の長さはインダクタンス値に、断面積は電流密度に影響を与えます。
リード線の一部を複数本にすると、電流密度値は減少しますが、不平衡は解消できません。
全てのチップのリード線の本数を増やすと、インダクタンス値と電流密度の両方が減少します。
大分高専:荻山さん
今回の研究を通じて学んだことがあります。
第3回の打ち合わせ時に、杉木さんにデータをご確認頂いたところ、数値がおかしいのではとのご指摘がありました。
まず私はリード線のモデリングに問題があると考え、モデルを修正し再解析しましたが、解決には至りませんでした。
そこで条件設定を見直しましたところ、電流が流れる面の設定に誤りがあることが分かり、無事に解決しました。
この事から、闇雲に研究を進めるのではなく、出た値が正しいかどうかを確認する事が大切だという事を学びました。
以上です。
ODT:安部社長
素晴らしい報告を、ありがとうございました。
プレゼンの内容も、分かりやすくまとめられていると感じました。
リード線の形状や断面積などの違いが、ちゃんと数値として出たのは、納得できる結果だったと思います。
ODT:杉木
お疲れさまでした。
発表は主に、シミュレーションではこうなりましたという内容でした。
その出た結果を踏まえた上でなぜそうなるのか?という考察が、今後社会人としては求められるようになるでしょう。
大分高専:石川先生
先輩の研究の引き継ぎが課題だなと感じました。
私の方で手助けしようかと思ったこともありましたが、本人が頑張って乗り越えて結果にたどり着いたのでホッとしています。
大分高専:荻山さん
最初の頃は解析ツールの使い方が分からないところから始まり、とても大変でした。
ただ杉木さんや石川先生のサポート、あと先輩のマニュアルなどにも助けられ、研究が進められました。
しっかり学ぶことができて、今回の研究に挑戦してみて良かったです。
ODTからのコメント
荻山さん、研究発表お疲れさまでした。
4月からは社会人として、頑張って下さい。
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