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業界トレンド情報 第二十五弾『メタバースが叶える次世代デジタル体験の未来』

1.メタバースとは?

メタバースは、「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語だ。
SF作家であるニール・スティーヴンスンが、1992年に発表した小説「スノウ・クラッシュ」にて登場する仮想空間サービスの名称として使用したことが始まりとされている。
現在は、インターネットを介して共有可能な3次元の仮想空間を指す言葉として使用されている。

メタバースという言葉が広く用いられるようになったのは、2021年にFacebookが同分野を次世代のコミュニケーションプラットフォームと位置づけて、年間100億ドル以上の巨額投資を実施すると発表したことによる。

同社は、2021年10月に社名自体をFacebookからMetaに改称しており、SNS企業からメタバース企業に移行する方向性を明らかにしたことが大きな話題となった。

メタバースという言葉自体は上記の流れで急速に広まったものの、インターネットを介して共有可能な3次元の仮想空間という概念そのものは特に目新しいものではない。
その先駆けとしては、米Linden Researchが2003年にサービスをローンチした「Second Life(セカンドライフ)」がよく例に挙げられる。

セカンドライフ 画面イメージ 出所:セカンドライフ公式ホームページ

セカンドライフ 画面イメージ 出所:セカンドライフ公式ホームページ

セカンドライフは、さまざまなアバターを設定して仮想空間で自由にさまざまなアクティビティを楽しめる仮想空間サービスだ。
2007年前後には電通がサービス内の仮想土地を購入したり、TBSやみずほ銀行が参入したりと、日本でも大きな盛り上がりを見せた。

その後、ブームは急速に収束したものの、現在でも一定数のユーザーが利用している。

2.メタバースの事例

次に、どのような現行のサービスがメタバースと呼ばれているのかについて見ていきたい。
メタバースの事例としては、NFTを取り入れたサービスが昨今話題に上ることが多い。
具体的には、「The Sandbox」や「Decentraland」といったプラットフォームが該当する。

NFTはNon-Fungible Tokenの略語で、「代替不可能なトークン」を意味する。
改ざんや偽造が困難なブロックチェーン技術を用いて、特定のデジタルデータを替えが利かない一点モノにすることができるものだ。

The SandboxやDecentralandでは、このNFTを用いて仮想土地やアイテムを売買することが可能。
購入者は、ブロックチェーンにより所有権を担保できる。売買取引は、独自の仮想通貨(SAND、MANAなど)を介して行われる。

Decentralandのマーケットプレイス。土地の所有者が表示されている 出所:Decentraland

Decentralandのマーケットプレイス。土地の所有者が表示されている 出所:Decentraland

このように、デジタルデータに所有を担保可能な付加価値を設けたことで、プラットフォーム内の仮想土地が高価で取引される事例が相次ぐようになった。
2021年11月には、仮想土地の取得や管理を行う米Republic Realmが、The Sandboxの仮想土地を430万ドルで取得している。

また、2022年2月には、カナダTerraZero Technologiesがメタバース内の仮想不動産売買に向けた住宅ローン制度を開始するなど、仮想土地売買が非常な盛り上がりを見せることとなった。

メタバースとされるものの中には、NFTを用いないゲームアプリケーションも多い。
マインクラフトやフォートナイトといったゲームがこれに該当する。

国産のものでは、あつまれどうぶつの森などが代表的なものとして挙げられるだろう。
特にフォートナイトでは、著名なアーティストが仮想空間内でライブを行うなど、ゲームの枠を超えた活用が話題となっている。

Travis Scottを起用したフォートナイト内のイベント 出所:Travis Scott YouTube Channel

3.メタバースは、我々の生活にどのように影響するか?

メタバースに分類されるアプリケーションは、現実空間と異なる仮想空間自体を楽しむケースが多く、現状として実生活に直接影響するものは少ない。
ただし、今後メタバースの概念が浸透するにつれて、実生活にも資するサービスが台頭してくるものとみられる。
この辺りは、インターネットの黎明期にも似たものがあるかもしれない。

先述したMeta(Facebook)は、ビジネス会議用VRツールとして「Horizon Workrooms」の開発を進めており、現在ベータ版を公開している。
アバターを介して仮想の会議室内でオンラインミーティングを行えるもので、使用しているPCの画面を共有できるほか、大きな仮想ホワイトボードを使用することもできる。

ZoomやGoogle Meetといった2次元のオンラインミーティングツールと比べて、より対面に近い会議を行えるのが大きな特長となっている。
なお、Quest 2などのVR機器を所有していない場合、PCからビデオ通話として会議に参加することもできる。

Horizon Workrooms 出所:Meta

Horizon Workrooms 出所:Meta

その他の事例としては、米モアハウス大学が2021年、遠隔地の学生向けにVRを活用した授業を開講した。
VR教育を提供するVictoryXRと提携し、モアハウス大学の仮想キャンパスを構築している。

学生は、Quest 2を介してリモートで講義に参加し、他の学生や講師と相互にコミュニケーションを取ることが可能。
コロナ禍で対面が難しい時期に、視覚的にもわかりやすい講義を遠隔地から受講できることとなった。

モアハウス大学 VR講義のイメージ 出所:VictoryXR YouTube Channel

安部’s EYE

今回のトレンド情報は、「メタバースが叶える次世代デジタル体験の未来」について、アップさせて頂く。

メタバースという言葉については、2021年にFacebookが社名をMetaに改称したことで一躍有名になり、言葉自体に聞き覚えがある方は多いと思う。

インターネットを介して共有可能な3次元の仮想空間で様々なことが行われると言ったメタバースの概念については特に目新しいことではない中で、Facebookが年間100億ドル以上の巨額投資を実施すると発表されたことで、何となく「凄い変化が起きるのでは?」との胸騒ぎを覚える方も多いと思うが、まだ実態はよく分からないと言うのが正直なところではないだろうか。

記事に中では「メタバースの事例」や「メタバースは、我々の生活にどのように影響するか?」等について記載しているが、“メタバースのこれからについてはインターネットの黎明期にも似たものがあるかもしれない”との記事が興味深いところだ。

インターネットが誕生した当時に、現在のようにインターネットが世界を席巻することになろうとは誰も予測しなかったと思えば、このメタバースなるものをどれだけ興味をもって調査理解し、追従していくかがカギを握るのではないだろうか?

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