大分高専さまとの共同研究 2023年度 #3 モデルによる電流密度分布の違い

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今回はZOOMを使ったオンラインミーティングです。
学生の横山さんから今回の進捗として、インダクタンス解析で重要なポイントとなる配線の電流密度分布について検討された内容について、ご報告いただきました。

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今回は、配線の本数と形状が電流密度の分布にどのような与えるかを、電磁界シミュレーションで確認しました。
電流密度は集中することなく均一に分布した方が、インダクタンスの低減に良い影響を与えるのではないかと考えています。

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リード線が1-1-3本のモデルを作り解析し、下図のような電流密度分布が得られました。
拡大すると3番目と6番目に電流が集中していて、パターンの場所によっては電流密度分布に偏りが不平衡が生じていることが分かりました。

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今までの研究から、検証すべきパラメータは、配線の形状と断面積、配線の配置位置です。
それぞれ、コの字型とアーチ型のリード線で検証します。

まずひとつ目は、配線の形状と断面積を検証するモデルです。
配線はコの字型のほうが差そのものは小さかったのですが、アーチ型を用いたときの方が全体的に、リード線内の電流密度の値のばらつきが小さいという結果でした。

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確かにそうですね。

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ふたつ目は、配線の配置位置を検証するモデルです。
コの字型を右端に寄せたものと、アーチ型を右端に寄せたもので検証しました試しました。

すると、ひとつ目のモデルよりも電流密度分布の差が小さくできた上に、電流密度の値のばらつきが小さいという結果でした。
さらにコの字型よりもアーチ型の方が、よりばらつきが小さいということも分かりました。

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確かに数値を見るとそうなっていますね。

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そして三つ目。
配線を左右対称でない配置にした、モデルリード線を左右に寄せたモデルでの検証です。
すると今度は差が大きくなった上に、リード線内の電流密度分布の値のばらつきも大きくなってしまいました。

この3つの検証結果から、
・配線の断面積より断面形状の方が電流密度分布に影響を与えている。
・電流密度のばらつきを抑えるには、配線の配置も考慮する必要がある。
・配線の配置位置は、左右対称に配したほうがよい。
などが分かりました。

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電流密度を均一化したいですね。
なぜなら、電流密度の高いところが壊れやすいからです。

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今はシミュレータでやっていますが、現実問題としてコの字型やアーチ型のリード線を作るのは難しいと考えています。
今後インダクタンスも計測しなくてはいけませんが、基板を三角に切る形で進めます。
配線形状だけでなく、回路パターン形状も含めて検討を進めていく予定です。

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はい、卒業研究との同時進行でとても大変だと思いますが、頑張ってくださいね!
次回はいよいよ、ODT本社にお越し頂いての研究発表会です。

以前の記事はこちら

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2023年度
第2回:ODTからのアドバイス

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2023年度
第1回:キックオフミーティング

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2022年度
第4回:研究発表

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2022年度
第3回:ODTからのアドバイス

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2022年度
第2回:インダクタンスの計算

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2022年度
第1回:キックオフミーティング

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2021年度
第4回:研究発表

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2021年度
第3回:共同研究その3 ODTからのアドバイス

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2021年度
第2回:共同研究その2

シリーズ:大分高専さまとの共同研究 2021年度
第1回:キックオフミーティング